カリウム(K)

potassium_Eyechatch 栄養解説
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基本情報

カリウム(Potassium)は原子番号19、元素記号Kのアルカリ金属元素の一つです。
成人の体内のカリウムの総量は、約1.76g/体重(kg)であり、そのほとんどが細胞内に存在し、細胞外液にも少量存在しています。

機能

カリウムは、細胞内液の主要な陽イオンであり、体液の浸透圧を決定する重要な因子です。
また、酸・塩基平衡を維持する作用があり、神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。

摂取量の過不足によるリスク

摂取不足によるリスク

  • 健康な人において、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合以外は、カリウム欠乏を起こすことはありません。
  • 軽度の低カリウム血症は、便秘、倦怠感、筋力低下、倦怠感を特徴とした症状を引き起こします。
  • 中等度から重度の低カリウム血症は、多尿症(大量の希薄尿)を引き起こす可能性があります。

過剰摂取によるリスク

  • 腎機能が正常であり、カリウムのサプリメントなどを使用しない限りは、過剰摂取になるリスクは低いと考えられています。
  • サプリメントなどからの過剰摂取は、軽度の胃腸の副作用を引き起こす可能性があります。

摂取量

目安量

平成28年国民健康・栄養調査における日本人のカリウム摂取量の中央値は、男性1,893〜2,505mg/日、女性1,685〜2,294mg/日でした。
体内貯蔵量や血漿濃度などを調査したいくつかの報告から、1,600mg/日は平衡維持量と考えることができます。
これらのことから、男性では目安量を2,500mg/日、女性は、男性とのエネルギー摂取量の違いを考慮し、2,000mg/日が目安量とされました。
妊婦と授乳婦についても平成28年の国民健康・栄養調査における摂取量の中央値より、妊婦は2,000mg/日、授乳婦は2,200mg/日とされました。

上限量

腎機能が正常な健康な人であれば、腎臓が尿中の過剰な量を排除するため、過剰摂取のリスクは低いと考えられているため、上限量は設定されませんでした。

目標量

日本人は、ナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの摂取量
の低下に加えて、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と考えられています。
WHOのガイドラインでは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患のリスクを減らすために、食物からのカリウム摂取量を増やすことを強く推奨しており、生活習慣病の予防のために3,510 mg/日のカリウム摂取を推奨しています。
ただ、日本人のカリウム摂取量は、推奨される量と比べて少なく、その値を目標量として掲げても、その実施可能性は低いと考えられます。
よって、平成28年国民健康・栄養調査における摂取量の中央値(2,168mg/日)と3,510mg/日との中間値である2,839mg/日を、目標量算出のための参照値とし、性別及び年齢区分ごとに目標量が算定されました。

男性女性
18~74(歳)3,000mg2,600mg
75~(歳)2,800mg2,400mg

摂取源

カリウムは、植物性、動物性問わず多くの食品や飲料に含まれています。
大豆などのマメ科植物やジャガイモと同様に、多くの果物や野菜はカリウムを多く含有しています。
果物や野菜に含まれるカリウムの形態には、リン酸カリウム、硫酸カリウム、クエン酸塩などがあり、吸収率は約85~90%と考えられています。
また、減塩の塩には、塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムが含まれています。

注意

リンは特定の医薬品との間で相互作用が認められ、一部の医薬品によってはリン濃度に有害な作用を及ぼす場合があるため、リン摂取については医療スタッフと相談してください。

ACE阻害薬とARB薬

降圧薬であるベナゼプリルなどのACE阻害薬や、ロサルタンなどのARB薬は、尿中カリウム排泄を減らすため、高カリウム血症につながる可能性があります。

カリウム保持性利尿薬

スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬は、尿中カリウムの排泄を低下させ、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。

ループおよびサイアザイド利尿薬

フロセミドやブメタニドなどのループ利尿薬、およびクロロチアジドなどのサイアザイド利尿薬による治療は、尿中カリウム排泄を増加させ、低カリウム血症を引き起こす可能性があります。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました!
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このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準と、ODSのDietary Supplement Fact Sheetsの各栄養素ごとの情報を参考にし作成しています。

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