マグネシウム(Mg)

magnesium_Eyechatch 栄養解説
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基本情報

マグネシウム(Magnesium)は原子番号12、元素記号Mgの金属元素の一つです。
体内にはおよそ25gのマグネシウムが存在しており、そのうち50〜60%が骨に存在しており、残りのほとんどは皮膚、腱・靭帯、筋肉などの生体軟組織に存在します。

機能

マグネシウムは、骨や歯の形成に寄与しています。
そのほか、タンパク質合成、筋肉と神経の機能、血糖コントロール、血圧調節など、体内の多くの酵素反応に関与しており、エネルギー生産においても必要な栄養素です。
また、細胞膜を通過するカルシウムおよびカリウムイオンの輸送においても、重要な役割を果たします。

摂取量の過不足によるリスク

摂取不足によるリスク

  • 欠乏症の初期の兆候には、食欲不振、吐き気、嘔吐、倦怠感、脱力感などがあります。
  • 長期にわたるマグネシウムの不足は、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスクを上昇させることが示唆されています。

過剰摂取によるリスク

  • 体内のマグネシウム濃度は、腎臓によって制御されているため通常の食品からの摂取で健康障害が発症した報告はありません。
  • サプリメント等による過剰摂取では、下痢を発症します。

摂取量

必要量

日本人を対象とした複数の研究結果から、成人の体重当たりの必要量は4.5mg/kgとされました。
妊婦の付加量は、31.5mgとなり、丸め処理を行って30mgとされました。
授乳婦については、母乳中にマグネシウムが移行しているにもかかわらず、尿中マグネシウム濃度は非授乳時と同じであることから、マグネシウムを付加する必要はないと判断されました。

上限量

体内のマグネシウム濃度は、腎臓によって制御されているため通常の食品からの摂取で健康障害が発症した報告はありません。
ただ、食品以外から過剰摂取により、軽度の一過性下痢が起こることがあります。
食品以外からの摂取量の上限量は、日本人における報告はないものの、欧米諸国からの報告に基づき、350mgとされました。

推奨量

必要量に推奨量算定係数1.2を乗じた値とされています。
妊婦についても同じ係数です。

摂取源

マグネシウムは、多くの食品に含有されています。
一般的に、食物繊維を含む食品はマグネシウムを含有しています。
その他、一部の医薬品(制酸薬や下剤など)に含まれています。

注意

マグネシウムは特定の医薬品との間で相互作用が認められ、一部の医薬品によってはマグネシウム濃度に有害な作用を及ぼす場合があるため、マグネシウム摂取については医療スタッフと相談してください。

ビスフォスフォネート

骨粗鬆症の治療に使用されるアレンドロネートなどのビスホスホネートの吸収を低下させる可能性があります。
マグネシウムサプリメントまたは医薬品と経口ビスフォスフォネートの使用は、少なくとも2時間離す必要があります。

抗生物質

マグネシウムは、ドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生物質やシプロフロキサシンやレボフロキサシンなどのキノロン系抗生物質と、不溶性の複合体を形成する可能性があります。

利尿薬

フロセミドやブメタニドなどのループ利尿薬、およびヒドロクロロチアジドなどのサイアザイド利尿薬による慢性治療は、マグネシウムの損失を増加させる可能性があります。

プロトンポンプ阻害剤

胃酸の分泌を抑制する薬であるエソメプラゾールマグネシウム水和物やランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬は、長期間服用すると低マグネシウム血症を引き起こす可能性があります。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました!
本ページでわからない点などがあれば、お気軽にお問い合わせページよりお問い合わせください。
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このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準と、ODSのDietary Supplement Fact Sheetsの各栄養素ごとの情報を参考にし作成しています。

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