基本情報
ビタミンCは、人体では合成することができない水溶性のビタミンです。
食品中では、還元型であるL-アスコルビン酸または、酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。
食事摂取基準はL-アスコルビン酸の重量として設定されていますが、L-アスコルビン酸とL-デヒドロアスコルビン酸の分子量の違いはわずかなため、区別する必要性はありません。
機能
ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲン、L-カルニチン、特定の神経伝達物質の生合成の合成に必須です。
また、抗酸化作用があり、生体内でビタミンEと協力して活性酸素を消去して細胞を保護しています。
摂取量の過不足によるリスク
摂取不足によるリスク
- コラーゲン合成ができないので血管がもろくなり出血傾向となり、疲労倦怠、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難の症状を有する壊血病となり、最悪の場合、死に至ります。
過剰摂取によるリスク
- 通常の食品を摂取している者で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告はありません。
- 毒性は低いため、高用量を摂取しても重篤な副作用は生じないと考えられており、最も多く訴えられる症状は、消化管内における浸透圧に起因する下痢、悪心などの消化器症状です。
摂取量
必要量
欠乏症である壊血病は、10mg/日程度摂取していれば発症しません。
血漿中のビタミンCの濃度が50µmol/L程度であれば、心臓血管系の疾病予防効果及び有効な抗酸化作用は期待でき、その値を維持する成人の摂取量は、83.4mg/日であることが示されています。
これに、丸め処理をし、85mg/日が推定平均必要量とされました。
妊婦の付加量は10mg/日とされています。
また、授乳婦の付加量は、40mg/日とされています。
上限量
健康な者であれば、過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することから、広い摂取範囲で安全と考えられています。
したがって、上限量は設定されませんでした。
ただ、摂取量と血液中濃度、体外排泄を検討した研究から、1g/日以上を摂取する意味はないことが示されています。
目安量
推定平均必要量に推奨量算定係数1.2を乗じた値とされています。
妊婦の付加量は必要量と変わらず10mg/日とされています。
また、授乳婦の付加量は、45mg/日とされています。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18~(歳) | 100mg | 100mg |
妊婦 | - | 110mg |
授乳婦 | - | 145mg |
摂取源
一般的にビタミンCは穀類には存在しておらず、果物と野菜に多く含まれています。
ただ、水溶性であることと熱によって破壊される特性があるため、調理方法によっては食物の含有量が減少することがあります。
注意
ビタミンCは特定の医薬品との間で相互作用が認められ、一部の医薬品によってはビタミンC濃度に有害な作用を及ぼす場合があるため、ビタミンC摂取については医療スタッフと相談してください。
化学療法および放射線療法
化学療法や放射線療法を受けている人は、ビタミンCやその他の抗酸化物質のサプリメントを摂取する前に(高用量の場合は特に)、かかりつけのがん専門医に相談する必要があります。
3-ヒドロキシ-3-メチルグリタリルCoA還元酵素阻害剤
ビタミンCは他の抗酸化物質と併用することで、シンバスタチンを用いた治療による高密度リポタンパク質レベルの上昇を減弱させることがあります。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
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このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準と、ODSのDietary Supplement Fact Sheetsの各栄養素ごとの情報を参考にし作成しています。
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