基本情報
マンガン(Manganese)は原子番号25、元素記号Mnのマンガン族元素の一つです。
マンガンは、体内に10〜20mg存在し、そのおよそ25%は骨に、残りは生体内組織及び臓器にほぼ一様に分布しています。
マンガンは、アルギナーゼ、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼなどの酵素の補因子です。
マンガンスーパーオキシドジスムターゼを欠損させたマウスが生後5〜21日で死亡することから、マンガンは高等動物にとって必須の栄養素であると考えられています。
機能
マンガンはアミノ酸、コレステロール、ブドウ糖、炭水化物の代謝に関与しています。
また、活性酸素の除去、骨形成、免疫応答やビタミンKと組み合わせて血液凝固や止血にも関与しています。
摂取量の過不足によるリスク
摂取不足によるリスク
- 動物実験では骨の異常、成長障害、妊娠障害などが報告されています。
- ヒトにおいてマンガンが欠乏することは稀であり、最も発症の可能性が高いのは、長期間完全静脈栄養療法下にあった小児に発生した成長抑制とびまん性の骨の脱石灰化です。
過剰摂取によるリスク
- 中枢神経系に影響を与えると震え、筋肉の痙攣、耳鳴り、難聴、下肢衰弱を引き起こします。
- 症状が進行すると、躁病、不眠症、うつ病、妄想、神経過敏などを発症します。
摂取量
必要量
マンガンの維持量を求めるための試験がいくつか行われていますが、マンガンは吸収率が低く、大半が糞便中に排泄されることから、維持量を求めるのは困難と考えられています。
そこで、マンガンの維持量を大幅に上回ると考えられる日本人のマンガン摂取量に基づいて目安量が算定されました。
上限量
マンガンの摂取量と健康障害についての複数の研究から、アメリカ・カナダの食事摂取基準が健康障害非発現量としている11mgが上限量とされました。
ただ、鉄欠乏はマンガンの吸収を増加させるため、マンガン摂取量が少なくても過剰摂取につながる可能性があります。
また、慢性肝疾患の人は、胆汁中のマンガン除去が損なわれており、マンガンの神経毒性や過剰なマンガン摂取による悪影響を受けやすくなっています。
目安量
日本人のマンガン摂取量についてのいくつかの報告のうち、摂取量の少なかったものを基準値として用い、総エネルギー摂取量の性差を考慮して、男性4.0mg、女性3.5mgが目安量とされました。
妊婦と授乳婦については、付加量を設定するために必要な情報が見当たらないことや、日本人のマンガン摂取量は、アメリカ・カナダの摂取基準と比べ明らかに高いことから、付加量は設定されませんでした。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18~(歳) | 4.0mg | 3.5mg |
妊婦 | - | 3.5mg |
授乳婦 | - | 3.5mg |
摂取源
マンガンは、穀類、豆類、ナッツ類などの食品に含まれています。
注意
マンガンは、医薬品と相互作用があることは知られていません。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
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このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準と、ODSのDietary Supplement Fact Sheetsの各栄養素ごとの情報を参考にし作成しています。
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