基本情報
ビオチン(ビタミンB7)は水溶性のビタミンB群の1つです。
食事摂取基準は、ビオチンの重量で設定されました。
機能
ビオチンは糖代謝、脂肪酸代謝、アミノ酸の代謝などエネルギー産生に関わる補酵素です。
また、抗炎症物質を生成することによってアレルギー症状を緩和する作用もあります。
摂取量の過不足によるリスク
摂取不足によるリスク
- 腹痛、嘔吐、早い呼吸、意識障害、昏睡などの症状を持つ乳酸アシドーシスなどの障害が起きます。
- リウマチ、シェーグレン症候群、クローン病などの免疫不全症だけではなく、1型及び2型の糖尿病にも関与しています。
- 脱毛、乾いた鱗状の皮膚炎、もろい爪、食欲不振、むかつき、憂うつ感、性感異常、前胸部の痛みなどを引き起こします。
過剰摂取によるリスク
- 通常の食品を摂取している者で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告はありません。
- 甲状腺中毒症、甲状腺機能亢進症などの誤診や、うっ血性心不全の特定に失敗する可能性があります。
摂取量
必要量
空腹時に血糖値が下がったときと、逆に食後でグルコースやアミノ酸が余剰となったときに必要量が高まります。
ただ、ビオチンは生体指標がないため、必要量は設定されませんでした。
上限量
健康な者においての十分な報告がないため、耐容上限量は設定されませんでした。
目安量
トータルダイエット法による調査では、日本人で45.1μg/日や60.7μg/日などの報告があり、この値を採用した目安量が設定されました。
また、妊婦と授乳婦については、目安量を設定するのに十分な摂取量データがないことから、付加量は設定されませんでした。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18~(歳) | 50μg | 50μg |
妊婦 | - | 50μg |
授乳婦 | - | 50μg |
摂取源
ビオチンは多くの食品に含まれています。
多くビオチンが含まれている食品は、内臓肉、卵、魚、ナッツ、サツマイモなどがありますが、生卵の白身に含まれるアビジンという糖タンパク質は、ビオチンと不可逆的に結合することで、ビオチンの吸収を妨げます。
ただ、加熱調理することでアビジンが変性し、ビオチンの吸収を妨げることが出来なくなります。
注意
ビオチンは特定の医薬品との間で相互作用が認められ、一部の医薬品によってはビオチン濃度に有害な作用を及ぼす場合があるため、ビオチン摂取については医療スタッフと相談してください。
抗てんかん薬
抗てんかん薬のカルバマゼピン、プリミドン、フェニトイン、フェノバルビタールを少なくとも1年間服用した患者は、対照群の患者よりも血清ビオチン濃度が有意に低かった研究があります。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
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このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準と、ODSのDietary Supplement Fact Sheetsの各栄養素ごとの情報を参考にし作成しています。
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