はじめに
前回までに脂肪燃焼のメカニズムとそこから考えるアプローチについてと、消化(中性脂肪を蓄積させない)についての解説をしました。
まだご覧いただいていない方はこちらのページをご覧ください。
今回は『代謝(中性脂肪を分解する)』に焦点を当て、解説します。
中性脂肪の分解を促進する
カフェイン
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、カテコールアミン(アドレナリン等のホルモン)放出の増加させ、不活性なホルモン感受性リパーゼを活性化することで脂肪の分解を促進させることが報告されています。
カフェインを過剰摂取することによって、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの健康被害をもたらすことがあります。
コーヒーや緑茶のほか、カフェインを含有する医薬品の服用などによって知らないうちに過剰摂取になる可能性があるので注意が必要です。
カプサイシン
唐辛子に含まれるカプサイシンは、カテコールアミン(アドレナリン等のホルモン)放出の増加させ、不活性なホルモン感受性リパーゼを活性化することで脂肪の分解を促進させることが報告されています。
さらに、カプサイシンが過剰のエネルギー摂取状況下において摂取された場合では、いっそう脂質代謝を促進させると報告されています。
カプサイシンを大量に摂取すると、粘膜が傷つきやすくなり胃腸の荒れ、咳、息切れなどの症状を発症します。
中性脂肪の代謝を促進する
クロロゲン酸
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、肝臓における脂肪酸の燃焼を亢進させると考えられています。
クロロゲン酸をコーヒーから効率的に摂取するには、浅煎りの豆を高温(95℃)の軟水もしくは蒸留水でアルコールランプ式のサイフォンもしくはペーパードリップを用いて抽出する必要があります。
特に焙煎時間については浅煎りでも約60%、深煎りでは91~99%のクロロゲン酸を減少させます。
また、クロロゲン酸は食後の脂肪の利用を増加させるとも報告されています。
カテキン
緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンは、肝臓における脂肪酸の燃焼を亢進させると考えられています。
体脂肪の減少が認められた研究では、一般的な緑茶飲料(伊藤園のお~いお茶緑茶500mLには200mgのカテキンが含まれています。)などと比べ、高容量(1日当たり400mg以上)のカテキンを摂取していることが多いようです。
カテキンは玉露や抹茶に比べ煎茶に多く含まれており、粉末緑茶を用いることで効率的に摂取することができます。
まとめ
今回は『代謝(中性脂肪を分解する)』について解説しました。
今回紹介したもの以外にも中性脂肪を分解する成分は数多く存在します。
ただ、これらの栄養素は普段の生活に少しプラスすることで摂取できるものです。
食生活をいきなり大きく変えることは一般的にストレスを伴います。
一時的なストレスであれば乗り越えられるかもしれませんが、長期的なダイエットであればストレスは極力少なくしたいものです。
これらの栄養素をうまく使いこなし効率的にダイエットを進めましょう!
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
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