はじめに
前回は脂肪燃焼のメカニズムとそこから考えるアプローチについて解説をしました。
まだご覧いただいていない方はこちらのページをご覧ください。
今回は『消化(中性脂肪を蓄積させない)』に焦点を当て、解説します。
各アプローチにおける栄養素
脂質を吸収させない
食物繊維
野菜や海藻などに含まれる食物繊維は、便のかさを増やすことによる便秘の改善や、栄養素の吸収を阻害することによる疾患の改善などの機能が報告されています。
粘性の高い水溶性の食物繊維は、小腸の内容物の粘性を高めることによって消化酵素の拡散が阻害され栄養素の吸収を阻害すると考えられています。
また、食物繊維が豊富な食品はよく噛むことが必要なので満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことにつながります。
脂肪を蓄積させない
EPA・DHA
魚類や軟体生物などの海洋動物に多く含まれるEPA・DHAは、血液中の脂質を低下させることが明らかになっています。
ただ、この作用はEPAとDHAでは異なっており、EPAは主としてコレステロールを、DHAは中性脂肪を低下させるとされています。
EPAはイコサペント酸エチルとして第十八改正日本薬局方に収載されており、高脂血症の治療に対しての効果が認められています。
酢酸
お酢に含まれる酢酸は、肝臓における脂肪合成に関わる酵素遺伝子の発現量が低下することで脂肪の合成が抑制されることが示唆されています。
また、エネルギー代謝の亢進や骨格筋における脂肪の代謝を増加させるとも報告されています。
お酢にはクエン酸も豊富に含まれており、血中のクエン酸濃度が高いと少ない運動でも、効果的に脂肪が燃焼されること示唆されています。
脂肪を合成させない
HCA
ガルシニアという植物に含まれるHCA(ヒドロキシクエン酸)は、糖質から脂肪酸を生合成する酵素の働きを阻害する機能が報告されています。
HCA(ヒドロキシクエン酸)は食品からの摂取が難しい成分です。
摂取においてはサプリメントを活用するほか、ハイビスカスティーからも摂取できます。
また、脂肪の分解を促進する効果も報告されています。
まとめ
今回は『消化(中性脂肪を蓄積させない)』について解説しました。
今回紹介したもの以外にも中性脂肪を蓄積させない成分は数多く存在します。
ただ、これらの栄養素は普段の生活に少しプラスすることで摂取できるものです。
次回は、『代謝(中性脂肪を分解する)』にフォーカスを当てた解説をする予定です。
最後に
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