基本情報
単位
法定計量単位における熱量の単位はジュール(J)またはワット秒(W・s)ワット時(W・h)です。
ただ、「人若しくは動物が摂取する物の熱量または人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計算」においてはカロリー(cal)を用いることが認められています。
海外の食品ではエネルギーがジュール(J)で表記されている物もあるので、その場合はカロリー(cal)に換算することで計算しやすくなります。
1kcal = 4.184kJ
変換フォームを用意していますので必要に応じてご利用ください。
前提条件
各栄養素1g当たりが有するカロリーについては下記の値とします。
タンパク質:4kcal
脂質:9kcal
炭水化物:4kcal
これらの値はアトウォーター係数と呼ばれています。
エネルギー必要量の推定
日本人の食事摂取基準(2020年版)における推定
日本人の食事摂取基準(2020年版)では基礎代謝量と身体活動レベルを用いた計算式で推定されています。
下表は体重1kg当たりのエネルギー必要量です。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
18~29(歳) | 35.5 | 41.5 | 47.4 | 33.2 | 38.7 | 44.2 |
30~49(歳) | 33.7 | 39.3 | 44.9 | 32.9 | 38.4 | 34.9 |
50~64(歳) | 32.7 | 38.2 | 43.6 | 31.1 | 36.2 | 41.4 |
65~74(歳) | 31.3 | 36.7 | 42.1 | 30.0 | 35.2 | 40.4 |
75~(歳) | 30.1 | 35.5 | - | 29.0 | 34.2 | - |
表における身体活動レベルの定義については下記の通りです。
低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) | |
---|---|---|---|
日常生活の内容 | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合 | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 |
アメリカ・カナダの食事摂取基準における推定
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、性別、年齢、身体活動レベル、基礎代謝量の4点で推定していました。
ただ、それだけでは発生する個人差をカバーしきれていないと私は考えています。
そこでアメリカ・カナダの食事摂取基準にて紹介されている次の式で計算することを推奨します。
19歳以上の男性:662-9.53×年齢+身体活動レベル×(15.9×体重+540×身長)
19歳以上の女性:354-6.91×年齢+身体活動レベル×(9.36×体重+726×身長)
身体活動レベルについては下表の数値を用います。
非活動的 | 活動的(低い) | 活動的(ふつう) | 活動的(高い) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 1.00 | 1.11 | 1.25 | 1.48 |
女性 | 1.00 | 1.12 | 1.27 | 1.45 |
実際に計算してみるのも楽しいですが、「時間がない・・・」や「めんどくさい・・・」と思った方に向けて入力フォームを作成しています。
人種による差はあるかもしれませんが、どのような方法であれ確実な値を算出することはできません。
この方法では基礎代謝量は用いられてませんが、性別、年齢、体重、身長、身体活動レベルの5つの項目で算出されている為、参考にするには最適であると考えられます。
各栄養素の比率
タンパク質
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
18~29(歳) | 75~115 | 86~133 | 99~153 | 57~88 | 65~100 | 75~115 |
30~49(歳) | 75~115 | 88~135 | 99〜153 | 57〜88 | 67〜103 | 76〜118 |
50~64(歳) | 77~110 | 91~130 | 103~148 | 58~83 | 68~98 | 79~113 |
65~74(歳) | 77~103 | 90~120 | 103~138 | 58~78 | 69~93 | 79~105 |
75~(歳) | 68~90 | 79~105 | - | 53~70 | 62~83 | - |
上表では身体活動レベル別におけるタンパク質の目標量が策定されています。
ただ、エネルギー必要量に合わせて厳密に目標量を策定するのは難しいので下記の値で計算してください。
タンパク質はエネルギー摂取量の15%
※腎臓病等疾患によって制限されている場合はそちらを優先してください。
脂質
飽和脂肪酸の上限を超えず必須脂肪酸の下限を下回らない値を策定する必要がありますが、実生活においてそこまで細かく計算するのは難しいです。
そこで、脂質については下記の値で計算してください。
脂質はエネルギー摂取量の20%
炭水化物
日本人の食生活においては、ケトジェニックダイエットのように糖質を制限しない限り必要量を下回ることは考えにくいため、 タンパク質と脂質の摂取比率を除いた下記の値で計算してください。
炭水化物はエネルギー摂取量の65%
実際の摂取量
各栄養素ごとの摂取量
ここまでの情報から各栄養素ごとの摂取量が算出できます。
減量への利用
減量では1日のエネルギー摂取量がエネルギー必要量より少ないことが重要です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)ではエネルギー摂取制限と体重減少(減量)との関係の理論的なモデルとして下記の計算を考察しています。
減少させたエネルギー÷エネルギー必要量=エネルギー減少率
エネルギー減少率×0.712=体重減少率
体重×体重減少率=体重減少量
この計算式から現在の体重から目標の体重になるまでのエネルギー目標量が計算できます。
エネルギー必要量ーエネルギー必要量×((体重ー目標体重)÷体重)÷0.712
減量の際はエネルギー目標量をエネルギー必要量とし、各栄養素の必要量を計算してください。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
本ページでわからない点などがあれば、お気軽にお問い合わせページよりお問い合わせください。
(WordPress勉強中のため返信に時間がかかるかもしれませんのでご了承ください。)
このページは、厚生労働省の日本人の食事摂取基準を参考にし作成しています。
コメント